どうして私はこんなに孤独なんだろう
「おはようございます」
「はい おはよう」
学校というところはある意味
社会と切り離されて存在している
そこで働く教師という職業もだ
「横島先生 おはようさん」
「おはようございます」
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5年前 実の弟のヒデヒコが
ひとり暮らしの私の部屋に急に
訪ねてきて住みついた時期があった
両親とは死別してるので
弟は私にとって大切な家族だ
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「ハハハッ こいつ泣いてるぜ」
「戸田くん静かにして」
「うるせぇよ ババァ」
まわりの生徒も無関心を装う
ターゲットにされたくないのだ
もちろん私もそのひとりだ
マニュアルのように時々注意する
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「教育上よろしくないですね」
「いえっ もう中学3年生ですし」
「あいつとの会話はエロばっかですよ
離婚してほとんど口も聞いてくれなく
なったんだけどこれのおかげで」
「はぁ・・・」
こんな親子関係もこの世に存在するのか
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「先生はあんな感じでしょ」
父親が指さした先のポスターを見ると
確かに私のハダカに近いものだった
「ハハッ そんなことは」
「当たりでしょ まぁ服の上からでも
多少はわかるもんね でももったいないなぁ」
酔っているからか父親の目が
だんだんエロくなっていくように感じた
早く帰らないと・・・
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「どうでした?」
宇野先生が心配して声をかけてきた
戸田くんの父親のことを大きいと思ったが
さらに背が高そうだ
私は160cmもないので
背の高い人はうらやましい
「一応会えました」
「どんな人なんですか」
「う~ん 似てるかな 戸田くんと」
「危ないじゃないですか」
「まぁでも戸田くんのことを
大事に思ってるので安心しました」
「親の心は持ってたってことですね」
「はい」
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「今日突然学校に来なくなった理由って
何かわかりますか」
「いえっ でも先生はご存知なんでしょ」
「あっ えっと・・・」
「いじめですよね」
「すいません ここ最近エスカレートしてて」
「おとなしい子だから狙われるんでしょうね」
「何とも言えないです 生徒同士の
やりとりをすべて把握してるわけではないので」
「友達でもいればねぇ」
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「小山くん これってもしかして」
「先生・・・」
「いいじゃない そんな年頃だし」
「でも・・・」
奪い返すのかと思ったら
そこまでじゃないようだ
なので興味本位で再生ボタンを押してみた
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「友達になれば」
「えっ」
「戸田くんも友達いないでしょ」
「そんなこと・・・」
「逆らってもさ 小山くん以外の人が
いじめられるだけだと思わない?」
「そうだと思う」
「でしょ みんな小山くんに感謝してるのよ
今日なんかビクビクしてたもん」
「そうなんだ」
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「全部映ってるんですよ ここは
警察呼びますよ」
「いいですよ これだけずっと話してて
逆におかしいでしょ 今さら」
「そんなことよく言えますね」
「お堅いなぁ まさか先生なの?」
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