「天使の兄嫁/悪魔の女」の電子書籍の販売を開始しました
電子書籍版限定で「ヒトミとユキ」というエピソードを
特別収録していますので是非よろしくお願いします

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こちらの電子書籍は専用のkindleタブレットだけではなく
スマートフォン・タブレット(Android/iPhone/iPad)・パソコンでも
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-本文抜粋-
「マモルさん 何だか追い出すみたいな形になって
本当にごめんなさいね」
「えっ いやっ・・・」
「そんなこと思わなくていいのよ
この子の引越し代は私とタダシで出したんだから」
「ちょっと母さん・・・」
「何よ 本当のことでしょ」
「そりゃ そうだけど・・・」
「もう家族なんだから秘密にする必要ないでしょ」
「またやられちゃったな マモル」
「兄ちゃん 助けてよ」
「ハハハッ」
僕は飯田マモル 25才
専門学校を卒業して映像編集の会社で
アルバイトをしている
「早く正社員になりなさいよ
嫌いじゃないんでしょ 今の仕事」
「今回の映画で賞獲れなかったらそうするって」
「賞を獲ってもあなた監督じゃないのに」
専門学校の時の仲間とインディーズで映画を
作ったりしている 僕は編集と助監督だ
監督の遠藤は在学中にコンテストで特別賞を獲った
その作品には僕は関わってないので
どうしても一緒に作った作品で賞を獲りたいのだ
遠藤はいろいろと才能がある
監督だけじゃなく脚本もカメラも担当していて
あと僕と違って話術に長けているので
キャスト探しに困ることがない
今回の主演の女の子も遠藤が街中で声をかけた
スタッフの女の子がそばにいたということもあるが
話を聞いてくれてOKをもらったのだ
演技は全くだがポスターにすると映える容姿で
インディーズだとそれだけですごく重要になる
観客賞なんかで男が投票してくれる確率が上がるからだ
家族は母と兄の3人家族
父は小さい頃に亡くなったので
ずっと母子家庭で育った
母はミサト 50才
生命保険のセールスレディ
僕らを育てながら仕事をしていたので
忙しくて出会いがなかったのか
再婚の気配はこれまで一度も感じたことがない
彼氏くらいはいたかもしれないが
会ってるところを見たことがないので
兄と2人でかわいそうだと言ったりしていた
兄はタダシ 28才 公務員
僕とは違ってしっかりしている
真面目を絵に描いたような人物だ
その兄が今年結婚した
ヒトミ 29才
兄との出会いは飲み屋とのことだ
詳しくは教えてくれないがホステスを
してたのかもしれない
うちの古いマンションには部屋が2つしかなく
僕が出て行くことになった
ずっと兄と二人部屋だったのだ
「もう片付いたし マモルは帰っていいわ」
「ちょっとぉ まだお寿司食べてないんだけど」
「あっ やっぱり食べるの?」
「ちょっと 母さん ひどいよ」
「ハハハッ」
-以上-