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義母万歳(3) 「やけどしそうな気がするんだけど」

「おつかれさます」
「神田さん 遅いですよ もうはじめてますよ」
「おいっ 待っててくれよ」
「早く食べたいですもん」

行く場所はいつも同じだ
倒産した会社で働いていた同僚たちが
主任の家に集まっている

かなり古いが一戸建てだ
離婚してから主任ひとりで暮らしている

「美味しく出来るかな」
「うまく焼けたら店出しちゃいましょうか」
「ハハハッ そうだな」

集まって話すことは最初は会社や上司たちの
悪口だったがさすがに話し尽くしたので
今はそれぞれが勝手なことを提案しだした

このお好み焼き計画は後輩の小倉の提案だ
昨日はホームセンターに必要なモノを買いに行った

ここに集まるメンバーは
日に日に減って今は5人だけだ

主任以外は平社員で私と同期の江上それに小倉
そして唯一の女性の佐々木さん

「江上くんの方が切るのうまいわ」
「佐々木さんは料理しないイメージですし」
「時々はやってるわよ」

佐々木さんは主任よりも年上で34才だ
普通なら紅一点なのでモテそうだが
全くそんなことはない
がさつでブサイクなので眼中に入らないのだ

このメンバーでは小倉だけがお世話になってるが
一夜限りの関係でそれ以上ではない
セックスを遊びと割り切ってるので
童貞の男には使える女と言ってもいい

そんな佐々木さんも実は既婚者だ
気の弱い年上の旦那がいるそうだが
誰も会ったことはない

そもそも同じ会社で働いていただけで
そこまで気の知れた関係ではなかったので
お互いの私生活の情報はここで聞いた話が多い

「この紅ショウガがポイントだよな」
「焼きそばみたいになるんじゃないか」
「美味しければいいんですよ」
「じゃあ 俺は山芋擦るよ」

山芋を擦る道具も昨日買った

「ハハハッ 楽しそう」
「なんともいえない感触」
「私にもやらせて」

そしてホットプレートに材料をのせた

「イカだけじゃなくエビも入ってるし
かなり豪華なお好み焼きだな」
「マヨネーズは普通のだけどソースも
こだわりましたからね」
「高かったよな」

「この大きなコテで食べないとダメだぞ」
「やけどしそうな気がするんだけど」
「もんじゃ経験者もいないからな ここには」
「ハハハッ」

ワイワイしながらお好み焼きを完成させた

「神田もビール飲むか」
「いやっ やめておきます
仕事探さずに飲んでるのはさすがに・・・」
「奥さんはおまえにベタ惚れなんだろ
何を気にしてるんだよ」
「お義母さんもいるので」
「じゃあ それ 私もらいます」
「佐々木さんは悪酔いするからダメだよ」
「主任 今日くらいいいでしょ」
「旦那さんが迎えにくるならいいけど」
「じゃあ 神田くん半分づつ飲もう」
「そうですね」
「何だ 結局飲むのかよ」
「ハハハッ」

「これは美味しい!」
「大成功!」
「もっと焼けよ 小倉」
「任せてください」

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