母親代行(1) 「代わりって・・・家政婦みたいなこと?」

「ねぇ 斎藤ってさ 最近何してるの?」
「えっと・・・だいたいドラマ見てるだけかな」
「お父様が亡くなってからはそんな感じ?」
「う、うん」
「まぁ お金には不自由してないだろうけどさ
ちょっと仕事してくれないかな」
「仕事?父の居酒屋を手伝ってたくらいで
何も出来ないわよ 私は」
「いいのよ それで」


斎藤ミヤコ 40才 独身

両親は私が短大を卒業してすぐに離婚した

そして家を出ていった母に代わって
私が父の居酒屋を手伝うようになった

ただその父も病に倒れ
2年ほど私ひとりで面倒をみていたが
昨年夏に息を引き取った

居酒屋は料理人として働いていた山田さんが
引き継いでくれた
形だけのオーナーになってしまったが
毎月お金を振り込んでくれる
あとまだ手をつけていないが多額の保険金が
入ってきたので経済的には困っていない

父の介護疲れもあってしばらくは
好きな時に寝起きして好きなものを食べる
怠惰な生活を送っていたが今は普通にしている

朝ちゃんと起きて家事をこなしドラマを見て
夜になったらちゃんと寝るようになった


「でも・・・」
「1か月だけでいいのよ」
「それくらいなら・・・でも何すればいいの?」
「私の代わりをしてほしいの」
「代わりって・・・家政婦みたいなこと?」
「ビンゴ!ちょっと休みたいのよね
ケンジが反抗期でもう疲れちゃって」
「そうなんだ」
「私には反抗してるけどあなたは多分大丈夫よ
誰かれに反抗するわけじゃないだろうし」
「う、うん」


宮本カオリ 旧姓は大野

中学高校と同じクラスで
私はずっと彼女の言いなりだった

学生時代は今よりも太っていて
イジメの対象になりやすかったが
彼女のおかげで無事に済んだ

ただイジメとは言えないくらいだが
いろんなことはさせられた


「斎藤にだけ教えてあげようかな」
「何?」
「ちょっと男と遊びたいのよね」
「えっ でもコウジさんがいるのに・・・」
「当たり前なこと言わないでよ
もう結婚して15年以上経ってるのよ
同じ男ばっかりだと飽きちゃうわ」


カオリは結婚当時もいろんな男と
付き合っていて私に自慢していた
今のコウジさんと結婚したのは子供が出来たからだ
もちろん予定外の妊娠だった

それに引きかえ私の男遍歴は薄っぺらい
たった2人だが処女を捧げた男は
カオリのお下がりで一夜の関係だった

もうひとりは父が倒れる前に
付き合ってた男で結婚を約束していた
それが私の状況が変わった途端に
別れを告げられてしまったのだ
今考えると最低な男だったので未練はない


「10万でいいよね」
「それはいいけど夕食の準備が終わったら
帰ってもいいんだよね」
「何言ってるのよ 私の代わりよ
夫のとなりのベッドで寝てもらわないと」
「えっ・・・」

メチャクチャだ 学生時代に比べれば
かなりマトモになってきたと思ってたのに

「夫に手を出さないでね」
「ちょっと・・・」
「ハハハッ 冗談よ 夫が何かしたら
別料金払うからさ 男いないんでしょ」
「あいかわらずだね カオリは」
「成長してないもん こっちもだけど」

カオリは胸がコンプレックスだ
美人で人当たりもいいが
ギリギリCカップの胸を気にしている

ちなみに私はFカップで少し垂れている


「じゃあ 来週から頼むわよ」
「やってみるけど続かないかも・・・」
「続かなくてもそのお金はあげるわ
だから気楽にやってみて」

今日は女だけの同窓会で
カオリに会うのは久しぶりだ

学生時代からそうだが自分の都合で
会ったり会わなかったりで
ただ友達の少ない私にはありがたい存在だ


「ミヤコはいいよね 独身で」
「そうかな」
「子供がいなければすぐにでも離婚するわよ」
「ふ~ん」

今日集まったのは8人だが私を除いて
みんな家庭を持っている
バツイチもいるがちゃんと再婚している

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