鬼の女房に鬼神の亭主(4) 私は意地の悪い女だ

「どうしたの うれしそうだけど」
「そんなことないわよ 進 もう寝る時間よ」
「まだ遊ぶ~」

私は意地の悪い女だ

美香を見返すために今まで生きてきた

いじめられていた頃のことは
今でも鮮明に覚えている

何度も死にたいと思った

小4から小6までいじめに遭っていたが
その首謀者が美香なのだ

美香の知らないところでもいじめられて
心身ともに限界を超えていた


「ねぇ 引っ越し先だけどさ
美香の市営住宅でもいいかなって」
「小学校も近いし悪くはないけど
商店街の近くがいいって言ってなかったっけ
それにマンションでもないし」
「進が学校に行ってる間とか
時間が出来ちゃうでしょ 退屈するかなって
マンションを買うのは先でもいいし」

今は1DKの社宅暮らしだ
慣例として子供が小学校に上がるタイミングで
みんな引っ越していく

「僕はどこでもかまわないよ」
「守くんはあいかわらず優しいな」
「先輩・・・」
「ウフフッ」

進の前ではパパママと呼び合うが
2人きりになれば守くんと先輩だ


夫と結婚したきっかけも美香だった

高校の時は美香とクラスも部活も同じで
ずっと一緒にいたのに私に告白してくれたのだ


「先輩・・・僕と付き合ってください」
「えっと・・・」
「あっ 2年3組の野口守です」
「どうして私に?」
「チアリーディング部をのぞきに行った時に
ひとめぼれしちゃって」
「ウフフッ うれしいわ」
「今日こそと思って」
「好きな人もいないし いいわよ 付き合っても」
「本当ですか!?」


美香より先に彼氏を作ることが
私にとっては重要なことだった


「私 2年の男子に告白されちゃった」
「えっ・・・どうするつもり?」
「もうOKしちゃったよ 好きな人もいないし」
「百合子 すごいね」
「一緒に帰れなくなるかもしれない」
「う、うん」


美香のまさかという表情を見て
心がスカッとした


「土曜日にまたチアの集まりがあるから」
「仲がいいなぁ」
「進のことよろしくね」
「僕も今週は仕事だからお母さんに来てもらうよ」
「また困らせないかしら」
「ハハハッ それも含めて楽しんでるって」

義父母は長男夫婦と同居しているが
向こうの子供はもう中学なので
ほとんど話もしないらしい

特に義母はうちに来るのを楽しみにしている
ただそんな義母にいたずらするのが進なのだ

にほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ 

関連記事
プロフィール

北条光影

Author:北条光影

カテゴリ
LINK



リンク
カウンター
アクセスランキング

QRコード
QR
RSSリンクの表示
アクセス解析
ジャンルランキング
[ジャンルランキング]
アダルト
492位
ジャンルランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
官能小説
30位
サブジャンルランキングを見る>>