寮母・大森真由美(1) 「元気な方であれば誰でも・・・」

「これからもよろしくお願いします」

「やっと決断してくれたんだね」
「はい ここを辞めても働く場所も
ないですし 今までよくしていただいたので」
「じゃあ 早速相棒を募集しないとね
面接は一緒にしてもらおうかな」
「元気な方であれば誰でも・・・」
「まぁ 相性ってものもあるでしょ
旦那さんみたいな人はいないだろうけど」
「・・・」


大森真由美 49才 未亡人

業界で中堅の安藤精密機器の
独身寮の管理人をしている

2年前に夫が会社をリストラされ
住み込みでここの管理人をすることになった

食事の支度など大変なこともあるが
給料は求人票の通り支給され
老後の蓄えの心配をしなくてよくなった

ただ予定通りとはいかなかった
2つ年上の夫が急死してしまったのだ

ほとんど風邪もひかないような夫だったのに
健康診断のあと再検査を受けて
医師にガンと知らされてから1か月後のことだった



「私としては迫田さんがいいと思うんだけど
もし女性の方がいいなら小林さんかな」
「迫田さんでいいですよ」
「気まずくないかな 男性でそれも年上だから」
「学校給食の経験があるなんて即戦力じゃないですか
それに一緒の部屋で暮らすわけでもないですし」
「ハハハッ そんな冗談が言えるようになったなら
もう大丈夫かな」
「いつまでも落ち込んでばかりはいられないので」

迫田誠司 58才 バツイチ

寮の近くに住んでいて実家の農業を
手伝っていたところこの募集を見つけたようだ

都会で暮らしてた頃には履歴書に書ききれないほど
いろんな職に就いていたらしい
養育費のためにWワークをしていたと話していた


「ありがとうございます!」
「えっ!?」
「私のことを推してもらったみたいで」
「普通に選んだだけですよ」
「こんな田舎でまともな収入が得られる
仕事に就けるなんて奇跡ですから」
「確かに給料は悪くないですね」
「年は私の方が上ですけど気を使わないでください
年下に使われるのは慣れてるんで」
「ウフフッ そうなんですね」
「大森さんに嫌われたらクビになっちゃいますから」
「そんな権限ないですって」

最終的に迫田さんを推したのは
即戦力ということもあるが別の理由もある
繊細で優しい夫とは真逆で豪快でガサツな感じが
新鮮だったのだ

それに女同士の方がギスギスすることもある

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