義母の寝室(2) 「そんな女に寝取られる奥様はもっと最低でしょ 女として」

「もう和也だって結婚したんだ
離婚届に判を押してくれ」
「私と離婚して彼女と再婚でもするつもり?」
「関係ないだろ」

紳士だった夫は消滅してしまった
あの女に似てバカになっていってる

「彼女が婚姻届けに判を押したら
私も判を押すわ」
「本当だな」
「せいぜい頑張って説得してね」
「そんな簡単なこと・・・」

女をわかってないな
あの女は不倫を楽しんでるだけなのだ

私という存在がなければ気持ちも冷める

離婚の条件として家も名義変更するし
夫の貯金の半分は私に渡る
お金も刺激もない男を相手にするはずがない


「夫と別れて」
「今日会ってること知ってるんですか」
「知ってるわけないでしょ」
「ここで泣いちゃおうかな」
「何言ってるのよ」
「旦那さんに相手されないからって
私に当たるんだもん やってられないわ」

男はどうしてこういう女を好きになるのか

「おじさんにしか相手されないのね あなたは」
「はぁ?おばさんどこ見て言ってるの
今も他に彼氏いるっつうの
ずっと家にいると困るんだけど」
「じゃあ 追い出せばいいじゃない」
「でも奥様の顔思い浮かべながら抱かれるの
やみつきになっちゃってるから ハハハッ」
「最低ね」
「そんな女に寝取られる奥様はもっと最低でしょ
女として」
「何ですって」

先に声を荒げてしまった私の負けだ
会社の部下には冷静で頼もしいと言われてたのに

あの女と会ったのはこの一度きりだ


「美樹 愛してるよ」

結婚前から今まで何度も言われ続けた言葉だ
それを信じていた私はあの女よりバカなんだろうか

今では愛してるほど軽薄な言葉はない気がする


「和也は麻美さんのこと愛してるの?」
「そんなの聞かなくてもわかるでしょ」
「まぁね ニヤニヤしちゃって もう」

和也の愛は本物だ

夫の愛だって本物だった時期もある
偽りの愛に変貌してしまっただけなのだ

私はまだ夫を愛しているのだろうか


「和彦さん 愛してるわ」

はじめて口にした時のことは今でも憶えている
本当に好きで好きでたまらなかった
一分一秒たりとも離れたくなかった


「麻美さん」
「はい お義母様」
「和也のこと愛してる?」
「えっ 急にどうしたんですか」
「ううん ちょっとね」
「愛してますよ もちろん」

うん? 嬉しそうな表情というより
困った表情になった気がする

もちろん私にこんな質問をされて
戸惑っただけかもしれないけど
まだ新婚だし笑みくらいこぼれてもよさそうなのに

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