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孫娘狂騒曲(3)「おじいちゃん 大好き!」 

プルルルルッ プルルルルッ

昼前に電話の音で目を覚ました

「はい もしもし」
「おじいちゃん 今度そっち遊びに行っていいかな」
「桜か」
「声だけでわかるなんてすごいね」
「ハハハッ 久しぶりだけどな 声を聞くのは」
「ごめ~ん」

私には孫娘が3人いるが会ったのは
もう20年近く前のことだ
そのあとはお年玉のお礼を電話でしてくれるだけで
本当にそれ以外での交流は全くない

妻は息子の家に行き来してたので
写真を撮ってきてくれたりした
5年前くらいの3人の写真は
今もテレビの上で飾ってある

ちなみに妻の葬儀には3人は参列させなかった
遠いということもあるが妻の意向だったからだ


長女 桜 26才

高校卒業と同時に彼氏と同棲をはじめた
仕事はいろいろやっているらしい
お年玉は20才まであげることにしてるので
6年前に最後に話をしたがその時は
彼氏と同じガソリンスタンドで働いてると言っていた

次女 美鈴 24才

大学を卒業して普通にOLとして働いている
おとなしい性格で電話でもお礼だけしか
聞いた覚えはない

三女 真美 20才

短大生 のんびりした性格で食いしん坊
写真でもひとりだけぽっちゃりしている
声が高くてゆっくり話すので聞けばすぐにわかる

記憶力がいいというよりも3人の声の特徴を
見極めるのは簡単なことなのだ

間違うとすれば嫁の美幸さんと桜だが
おじいちゃんと呼ばれれば桜で間違いない


「ここは何にもないぞ 釣りでもはじめたのか」
「ううん 彼氏と別れてバイトも辞めたから
気分転換にいいかなって」
「そうか お母さんには相談したのか」
「おじいちゃん もう私26だよ」
「まぁ でもこんなに遠くに来るなら
一応言っておかないと 家で暮らしてるんだろ」
「うん だってひとり暮らしなんて無理だし」
「ハハハッ じゃあ 新しい彼氏探さないとな
いやっ もう次は結婚相手か」
「まだ未練残ってるから あぁ 思い出しちゃった」

「こっちは大歓迎だぞ 交通費も出してやるからな」
「本当に?」
「あぁ それくらいは甘えてくれてもいい」」
「おじいちゃん 大好き!」
「久しぶりに聞いたな 桜の大好き」
「ウフフッ 大好きって言ったら次の年の
お年玉が増えるって思ってたからね」
「おいおい 正直に言わなくていいんだ
そういうことは」
「そっか そうだね ハハハッ」


夜には美幸さんからも電話がかかってきた
桜がここに行くことを話したのだろう

「お義父さん 本当に迷惑じゃないですか
1週間は泊まるって言ってますけど」

そんなに長くいてくれるのか 楽しみだ

「いつまでいてくれてもかまわないよ
まぁ 今は工藤も一緒に暮らしてるが
桜が嫌がるならその間だけ追い出すしな」
「あと・・・ずっと顔を出さなくてすいません」
「あいつの葬式の時に会ったじゃないか
こんな遠くまで来るのは大変だからな
美幸さんも仕事してるんだろ」
「はい」
「あっ 美鈴とか真美は家にいないのか
ついでに話させてもらえればありがたいが」
「美鈴がいます じゃあ 代わりますね」

「もしもし」
「おっ 美鈴 久しぶりだな 仕事頑張ってるか」
「う、うん」
「彼氏は出来たか」
「ううん」
「そうか 好きな男くらいはいるんだろ」
「・・・うん」
「美鈴も時間が出来たら遊びにきてくれよ」
「う、うん」
「真彦 いやっ お父さんもそこにいるのか」
「うん いるよ」
「じゃあ 代わってくれ」

「みんないい子に育ってるじゃないか」
「嫁に行かせるまではまだまだ大変だって」
「寂しくなるぞ あと桜も戻ったし
家の中はにぎやかだろ」
「そりゃあ ハハハッ 戻ってきた時は
泣き続けてたけどね」
「悪い男なんかとは結婚前に別れて正解だよ
3人には幸せになってもらわないと」
「あぁ そうしないと天国の母さんに叱られるよ」
「大人になったな 真彦」
「勘弁してよ 父さん」
「ハハハッ じゃあ しっかり働けよ」

桜のおかげで真美以外とは話をすることが出来た



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