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義父と嫁の接近戦(2)「紗耶香 考え直してくれよ」

これは天罰なのだろうか


「紗耶香 考え直してくれよ」
「消えてよ 私の視界から」
「そこまで言うことないだろ 俺の方がつらいのに」

幼なじみの江尻明とは中学に入って
正式に付き合いはじめた

その私のはじめてをすべて奪った男が
一世一代の大学受験でやらかしたのだ

学部は違うが同じ大学に行くことにしていた

「とにかく今日でお別れよ」
「だから・・・」

バシンッ!

近づいてきた明に平手打ちした

「顔も見たくないって言ってるでしょ」
「どうしたんだよ 紗耶香らしくないだろ こんなの」
「何とでも言って もう私たちは終わったんだから」

合格発表の日のうなだれた明の姿を見て
一緒にいてはいけないと第六感が私に囁いた


「紗耶香 明のことだけど・・・」
「お兄ちゃんは口出ししないで」
「いやっ まぁ そうなんだけどな」

明と仲のいい兄は私たちの交際を応援していた


「お兄ちゃん 私 結婚する」
「何だって!?」

入社1年目 同じ会社の文也さんと出会い
付き合ってまもなくプロポーズされた


「君を一生幸せにするから結婚してほしい」


話を聞くと仕事に慣れる前に辞めてほしかったようだ
いろいろと条件を聞いていくと私にとって
メリットしかない結婚ということがわかった

専業主婦で義父母と別居で顔も悪くない
性格までは把握出来なかったが
明と別れて正解だったとその時に思った



「綾香 今日もケーキ買ってきたぞ」

夫は今までも何かおみやげを買ってくることは
あったが半年前から同じ店のケーキを
頻繁に買ってくるようになった

私も娘もお気に入りだったので
特に不思議に思うことはなかった


「もしもし お兄ちゃん 何?」
「紗耶香」
「えっ!?明・・・お兄ちゃんの番号なのに」
「いやっ どうしても話しておきたいことがあって」
「もう私は結婚して娘もいるのよ 知ってるでしょ」
「当たり前だろ そういう話じゃないって
おまえの旦那のことだ」
「明は会ったことないでしょ」
「ここに写真が飾ってあるから見てるって」

兄とはまだ仲良くしてるようだ

「代わってよ 話はお兄ちゃんから聞くから」
「パチンコに行ったよ」
「ちょっと どういうことよ もう」
「話だけ聞いてもらえれば切るから」
「はぁ・・・何を企んでるのよ
しつこくしないなら幼なじみとして
また会ってもいいかなって思ってたのに」
「本当か!?」
「まぁ 娘が成人してからね」
「ちょっと待てよ 10年以上先じゃないか」
「縁を切ったままの方がいいならいいけど」
「いやっ・・・まぁ 俺たちのことはいいんだ
旦那だよ おまえの旦那」
「何よ 変な言いがかりなら怒るわよ」
「先に行っておくけど俺は本当に偶然見たんだ」
「はいはい」
「洋菓子のエデン・・・わかるだろ」

いつも夫がケーキを買ってくる店だ
それがどうしたというのだろう

「わかるわよ 最近よくその店のケーキを
食べてるから」
「実はあのケーキ屋のそばの塾で講師やってて」
「そうなんだ」
「生徒が美味しいって何度も言うもんだから
一度食べておこうと思って店に行ったら
おまえの旦那を見かけたってわけさ」

何だか嫌な予感がする

「本当にあんなところでおまえの旦那を
見かけるなんて思いもしなかった」
「どこにある店なのか知らないんだけど」
「クレオの向かいだよ」

クレオは日曜大工をメインとした大型店舗だ
家族3人で何度も遊びに行ったことがある
無料のキッズスペースが充実していて
娘が小学校にあがるまでは定番の遊び場だった

「それで」
「ケーキも買わずに店の女の子と親しそうに
話したりしててちょっと聞き耳を立ててみたら
完全にカップルの会話なんだよ」
「・・・」
「他にも客もスタッフもいるのにお構いなしで
多分その子が看板娘だから誰も何も言わないみたいで」

・・・最悪だ

「今度休みを合わせて旅行行くとか」
「もういいわよ」
「信じなくてもいいけど伝えておかないとと思って」
「はぁ・・・信じないわけないでしょ 
あんたの性格知ってるんだから」
「あっ ありがとな」

お人好しで嘘をつけないのが明なのだ
大学にさえ合格しててくれたら
私の計画通りに人生が進行していくはずだった

「これからも時々見ててやろうか
時間が合うかどうかわからないけど」
「・・・あぁ 最悪だわ」
「問い詰めるなら二度と来ないだろうけど」
「娘がいなかったら即離婚よ でも・・・」
「まぁ とにかく紗耶香が浮かれてる旦那に
踊らされてるのがシャクだから伝えたかったんだ」
「ありがとね」
「あっ あぁ」

そういって電話を切ったが頭が真っ白になった


「じゃあ 行くわ」
「うん」
「ママ 行ってきま~す」

呆然としながらも夜を過ごし朝を迎えて
いつものように2人を送り出した

そして義父のもとに向かった


「いやっ 綾香のことを考えれば
2人には早く元の姿に戻ってほしい
そのためなら・・・」

浮気を勧められた 全く考えてなかったことだ

「・・・考えてみます」

思わず口に出してしまった
浮気相手として真っ先に頭に浮かんだのは明だ

どうせ明にとっては悪女でしかない
性の捌け口として抱かれるのも悪くない


そのあとも話をしながら頭の中では
明とのセックスシーンが浮かんでいた

「お義父様・・・」

悶々としてるところでキスをされて
さらに口がすべった

「・・・いいですよ」

男として見たことのない義父だったが
夫に復讐するなら相手としては最適だと
すぐに頭の計算機が答えを弾いた

考えれば考えるほど最高の浮気相手だ
もし夫が知れば私以上に衝撃を受けるだろう

「あぁ 天国の女房にまた叱られるな」

誘っておいて逃げ出すなんて
夫も義父も卑怯なところがそっくりだ



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