酒乱父娘(1)『俺のことを父ちゃんと呼ぶなら置いてやる』

「ただいま 父ちゃん」

「結局出戻ってきたな 荷物はそれだけか」
「うん 面倒だから全部置いてきちゃった」
「ここにはもう服ないだろ」
「何でもいいよ お金はもらったから
まとめて買いに行こうかなって」
「ハハハッ あいつが金持ちでよかったな」
「お金だけじゃなかったんだけどな 最初は」


藤本仁志 50才 バツイチ独身 不用品回収業

俺には娘がひとりいる 名前は百合 23才
別れた嫁の連れ子なので血の繋がりはない

今は父ちゃんと呼んでくれてるが
ずっとおじさんと呼ばれていた

母親についていかずにここで暮らしたいと言った時に
条件を出したのだ


『俺のことを父ちゃんと呼ぶなら置いてやる』


世間体というやつだ
実の娘かどうかなんて身内以外は気にかけない

百合を受け入れたのはひとりになりたくなかったらだ
天涯孤独な俺がやっとの思いで家族を手に入れたのに・・・


最初から仲良く暮らしてたわけじゃない
決まりとして家にいる時は一緒に飯を食べることにしていた


『うまいか』
『・・・うん』


家に百合がいるだけで救われた 本当にいるだけでうれしかった

百合にあとで聞いたが母親の新しい男が気に食わなかったようだ
祖父の家でも暮らせたが地方に行きたくないということで
俺にお願いすることにしたらしい


「やっぱりここが落ち着くな」
「ハハハッ」
「そうだ 私ね お酒飲めるようになったんだよ」
「本当か」


同棲すると言って出て行ったのは2年前だが
その時はほとんど飲めなかった

あの日から一度も会わずに今日を迎えた
電話で話したのもたったの2回だけだ


「父ちゃん あいかわらずコンビニでエロ本買ってるの?」


男を知ってからは片付けなくていいと言われたので
ひとり暮らしの時のように散らかし放題だ
百合も俺が買ってきたエロ本についてくるDVDを観たりしていた

そのうち以前のように化粧品と生理用品とコンドームが
テーブルに並ぶはずだ


「エロ本よりも先にこっちに気づいてくれよ」
「あっ 私の大好きな豆大福!!!」


高級なケーキじゃなくコンビニで売っている豆大福が
何よりも好きなのだ 俺も百合の影響で食べるようになった


「あぁ~ん 父ちゃん 美味しいよぉ~
そうだ 私 お酒だとハイボールが好きなんだよね」
「そうなのか 今度から買っておかないとな
今日はビールか焼酎で勘弁してくれ」
「はぁ~い」
「あいかわらずだな 口のまわり拭いてやる」
「ウフフッ」


豆大福の白い粉をつけた百合は出て行った頃と変わらない
仲良くなっていったきっかけも豆大福だった



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