秘湯の宿・いしだ(5)「どういうのが好みかなぁ 年がわからないと困っちゃう」

「おはよう」
「おぅ 小百合 起きたか」


起床時間は自由 忙しくなれば母に起こされる


「あれっ ばあちゃんは?」
「それがな ちょっと熱が出て部屋で休んでるんだ」
「えっ!?」
「昨日そんなに寒くなかったんだけどな
まぁ 微熱だから心配するな」
「珍しいね」


祖母は体が丈夫で病院の世話になったことがほとんどない
定期的に体調を崩すのは父か私と決まってるのだ


「じゃあ 外の掃除のつづきは頼んだぞ」
「うん わかったぁ」


外の掃除は祖母が担当している 私は受付その他雑用全般
母は買い出しと経理案内 父は料理担当 
手が空いたら他を手伝う形で基本的に全員すべてをこなせる

慣習に反感を持ってはいたが料理などは
生まれた頃から教え込まれていたので身についているのだ


ブルルルルルッ


そうこうしているうちに母が買い出しから戻ってきた


「小百合 自分で起きたの 珍しいじゃない」
「ばあちゃんよりマシだよ 熱があるなんてさ」
「ウフフッ そうね 嵐でも来そうだわ」
「それもだけどお母さん肌がツルツルじゃない 私より」
「そうなのよ 女ってわかりやすいよね 小百合は・・・」
「比べるまでもないでしょ もう!」
「そうだ 早めに化粧しておきなさいよ 
チェックイン前に到着するかもしれないし」
「どういうのが好みかなぁ 年がわからないと困っちゃう」
「じゃあ すっぴんでいいじゃない」
「あっ 狙ってるんだ お父さんに言っちゃおっと」
「どうぞ どうぞ」


今は母を目当てに来る常連客が宿の売り上げを支えている
まだ私は足元にも及ばない 
どうしても高齢者やブサイクな男の客が多いので
ついつい顔に出てしまったりサービス拒否してしまうからだ

母は昔から父の嫉妬が夫婦円満の秘訣だと言っている


「もしかして朝まで?」
「そこまでじゃないわよ 3回だけ」
「うわぁ お父さん 本当絶倫だわ そんな50代いないでしょ」
「そうね 最近友達に会うとみんなボヤいてるもん
浮気する元気がある男がうらやましいって」
「ハハハッ 最後はそうなっちゃうんだなぁ」




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