女教師の孤独(11) 「別に何もなくても・・・」

「わかりました」
「あぁ でも昼間退屈だなぁ
どこで何時に待ち合わせます
出来るだけ早い方がいいんですけど」

昼までなので何もなければ
3時には帰れるはずだ

「3時半にこの駅を出たところで」
「ここは何もないですって」
「別に何もなくても・・・」
「子供みたいなこと言わなくていいでしょ」

ホテルに連れ込むつもりだ

「じゃ 池袋で」
「そこまで行かなくても」
「知ってる人に会ったら中止ですよ」
「わかりましたよ パチンコでもして
待ってます じゃ 西口の交番のそばで」

わざわざ交番の近くで待ち合わせるなんて
どれだけ自信過剰な男なんだ

それよりもホテルといえば
もうセックスすることは間違いない
大学の時以来だからもう20年ぶりくらいだ
あぁ 嫌がったフリをしても
触られたら感じてるのはバレてしまいそうだ

授業をしながらもそのことばかり
頭に浮かんてきた

なんだかこわい
ただ行かないと駅に現れるし

「先生、横島先生!」
「えっ」

職員室で宇野先生に声をかけられてたようだが
全く気づかなかった

「どうしたんですか」
「別に・・・」
「おかしいですよ 今日は
朝もあいさつに気づいてくれなかったし」
「すいません」
「そんなことはいいですけど
今日ちょっと飲みに行きませんか」

宇野先生に誘われるのははじめてだ
年も離れてるので変な気を回さなくても
いいので楽しめそうだ

ただ私には予定がある

「ごめんなさい 予定があるのよ」
「そうなんだ・・・」

きっと勇気を出して誘ったのだろう

「別の日ならいいですよ」
「本当ですか!! じゃ日曜日は」

そんなに私とデートがしたいんだろうか
全く男として見てなかったので不思議な感じだ

「いいわ 時間と場所決まったら
明日の午後にでも電話してきて」
「は、はい」
「電話番号って あっ 入ってるわ」

緊急のために全教員登録してある

さっきまでの不安な気持ちが
宇野先生の誘いで和らいできた
ずっと孤独だったのに
週末に2人の男と会うなんて進歩しすぎだ

心がついていかない

ただ痴漢にはペースを握られてはいけない
聞いてはないがもし不倫だと
教師生命にも関わるからだ

転職は出来ればしたくない
また自分の居場所を作るなんて面倒だ

すべての用事を済ませて
山手線に乗り継ぎ池袋に向かった

そして百貨店に入った
あくまでも自分のためだと言い聞かせて
人気の下着を数点購入しはき替えた

退屈そうに携帯をいじりながら
交番の前で痴漢男は待っていた

まるで初老の不良だ

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