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最後の晩餐(2) 「じゃ ひと口だけ」

「ナオコさんは何か食べてきたのか?」
「朝食べただけですけど大丈夫ですよ」
「またすぐ帰っちゃうのか・・・」
「夜ご飯の用意もありますし」
「今度オサムに言わないとなぁ
病院に来る日だけどっかに食べに行けって」
「ウフフッ お義父さんったら」

夫は6時過ぎには帰ってくる
それもあるが義父の世話は
今のまま3時間くらいで十分だ
これ以上だとかなり気を使って大変だ

夫は私の言いなりではあるが
義父にも逆らえないのでどうなるかわからない
余命数ヶ月と聞いているので
こんなことで揉めるつもりもない

「じゃ プリンを」
「もうごはん食べないんですか」
「夜にちゃんと食べるから早く」
「はい ア~ン」

最初は何も言わず食べさせていたが
義父に言ってくれと言われたのだ

「美味しいなぁ ナオコさんも」
「じゃ ひと口だけ」
「あっ そこそこ」
「えっ!?」

義父は私の口元に手を伸ばした

「これ ついとったから」
「すいません」

その指についたクリームを美味しそうに舐めた
気づいてはいるが私に対して明らかに
男の目線で見てくることがある
病気だとはいえまだ65才なのだ
たまっているのかもしれない

「ナオコさん オサムとかうまくいってるのか?」
「はい もちろん まだ新婚ですよ」
「そうだな ハハハッ」

いやらしい笑いが響く
ただそろそろ人が入ってくる時間だ
食器を下げて簡単に掃除していく

「今日は遅いですね」
「あぁ わしが言っておいたんだ
2時まで入ってくるなって」
「あっ そうなんですか」

困った義父だ ただしばらくのガマンだ
こんなことでイヤな顔を見せてはいけない

「ナオコさん」
「はい」
「カラダを拭いてくれんか」

男なんて考えることは同じだな
大きくなったあそこを見せつけるつもりだろう

「それはやってくれる方がいるでしょ」
「1度くらいナオコさんにも・・・」
「そんな・・・」
「もう次に発作が起きたら死んでしまうかもしれない
最後のお願いだと思って聞いてくれないか」
「・・・」
「ダメか 新婚だもんな 無理言ってすまない
ただこれに懲りずにこれからも来ておくれよ」
「・・・はい お義父様」

男も女もしらじた方が興奮する
それに何の見返りもなくするつもりはない

「じゃ 今日はもう帰りますね」
「あぁ 本当にすまんかった
オサムにはこのこと内緒にしてくれんか」
「・・・わかりました」

逆に早く帰る口実が出来てラッキーだった

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