新しい家族(6)

「もうそこは大人なのね」
「・・・」
「でもちょっと待って弟もいるって・・・」

「ごめんなさい!!!」

僕は最後までおばさんの話を聞かずに
その場を立ち去った


あぁ やってしまった
同じホテルで泊まってるのに
逃げてもどこかですれ違ったら・・・
最悪だ 部屋に閉じこもろうかな

それもこれも弟のせいだ
あいつどこにいるんだ

東側の露天風呂に向かおうと
通路を歩いていると目の前に弟が現れた

「お兄ちゃんどこ行ってたの」
「おまえを探してたんだよ!!」
「僕がトイレ行って帰ってきたら
どこにもいないから探しちゃったよ」
「ト、トイレ」

やってしまった・・・

「露天風呂見てきたんでしょ どうだった?」
「えっ」
「入ってないんでしょ 今から行こ」
「いやっ こっちは」
「何」
「明日にしよ 昼間の方が景色もいいし」
「あぁ 暗くなってきたもんね」
「それにもう6時半だろ」
「あぁ ごはんか そうだね」

よかった・・・ 
ただまだピンチは終わってない
そもそもレストランで会う可能性もある

さっきまでの憂鬱は消えていた
誰と会おうが関係ない
新しい母親が出来ても何も変わらない
そんなことよりさっきのことが
このまま終わってくれることを祈るだけだ












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