純粋な姉(1) 「好きな人とかいないの?」

姉は20代で結婚詐欺に遭い男性不信に陥った
それ以降は恋愛と程遠い生活を送り
いつの間にか時間は流れ今年38になった

「行き遅れって言葉がなくなってよかったわね」
「ハハハッ 母さんシャレになんないよ」
「もう イヤになっちゃうわ」

母は19で結婚してすぐに姉を産んだので
姉の気持ちは全く理解出来ないようだ

「もう10年以上経ってるじゃない」
「まだ9年よ」
「同じようなもんでしょ あんな悪い男なんて
そうそういないって」
「そうだよ 姉ちゃん」
「コウジも女の人泣かせてるんじゃないの?」
「そんなわけないだろ」
「彼女いるいるって結婚しないじゃない」
「それは姉ちゃんがしないから・・・」
「私のせいにしないでよ」

僕は家族と離れてひとり暮らしをしている
家に帰ってくるのは年に2回ほどだ

「それでコウジこっちに戻ってくるの?」
「仕事が見つかるかどうか・・・」
「まだお父さんが稼いでるんだから大丈夫よ」
「すぐお母さんは甘やかすんだから」
「いいでしょ 私の恋人なんだから」

母は昔から僕をえこひいきしてくれる

「あぁあ 私のギャラリーが・・・」

姉は絵を描いたり小物を作ったりするのが
趣味でその作品が僕の部屋に飾ってある
最近はオークションで売ったりして
少額ではあるが稼いでいるようだ

「自分の部屋に置けばいいだろ」
「作業スペースだもん」
「ちょっとくらいいいけどさ」
「本当に!?」
「ちょっとマユミ ずっといるつもりなの?
結婚すればいいだけでしょ」
「すぐ追い出そうとするんだから」
「あなたのためを思って言ってるの」
「コウジさえいればいいんでしょ」
「ウフフッ ねぇ 今日は何が食べたい?」
「そうだなぁ 久しぶりにお好み焼き」
「最近作ってないわ 材料買ってこないと」

母は買い物に出かけていった

「好きな人とかいないの?」
「だからもう男はこりごりだって」

元カノに聞いた話だが女性でも
無性にしたくなることがあるはずなのだ

「ガマンしてるんでしょ」
「何を?」
「いやっ 別に・・・」
「変なこと言わないでよ もう」
「普通だろ」

変なことか・・・ 言いたいことは
わかってくれてるようだ

「姉ちゃん聞きたいことあるんだけど」
「えっ 何よ」
「ずっと聞きたかったんだけどさ
もうそろそろいいかなって」
「どうしたのよ」
「あの男とさぁ どこまでいったの?」
「えっ」

姉は昔を思い出してるようだ

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