FC2ブログ

非常識-たぬきの婿入り-(1) 「ユキオさんもっと食べて」

「ユキオさんもっと食べて」
「はい お義母さん」


私は黒田ユキオ 40才

2年前にこの山根家に婿養子として入った
なので戸籍上は山根ユキオだ
ただ表向きは夫婦別姓で通している

妻は山根カオリ 29才

今でもどうして私と結婚してくれたのか
はっきりとはわからない
派手めなところがある健康的な女だ

出会いは見合いだった
カオリは一時東京で働いていたが
結婚するために帰省してきた
そこでたまたまリストにあった
私を選んでくれてそのまま結婚が決まった

仕事場の男たちは私を羨ましがった
忙しすぎて恋愛をおろそかにしてた私が
若くて都会的な女性を手に入れたからだ

カオリはひとり娘 両親共に健在
代々伝わる地元の伝統工芸品を
製造販売している


「行ってくる」
「はい これお弁当」

無口な義父は毎朝決まって同じ時間に
工房の方に出かける 工房は山の方に歩いて
15分くらいの場所にあって弟子3人と
この地元に伝わる伝統品を作っている

そしてこの家に併設した場所に
伝統工芸品を売る店があり
そこを義母が仕切っている
私は義父の弟子として働くつもりだったが
店の方で働くことになった

「ススムさん起こしてこないとね」

ススムというのは私の実の弟で
結婚してしばらくして義父に腕を認められ
弟子になった 現在は居候だ
離婚し会社までやめた弟を不憫に思い
話を聞いてやってたら居ついてしまった
私より手先が器用だったのが幸いして
仕事まで見つかったのだ

「師匠よりあとに行くってどうなんだ」
「兄貴が言うことじゃないだろ
師匠がいいって言ってるんだから」
「他の弟子もか」
「当たり前だろ 特別待遇なんてないよ
いくら親戚だからって」
「そうか」

ずっと気になっていたのだ

「昨日結構飲んだんでしょ」
「そうなんですよ だんだん地元の人も
俺のこと仲間に入れてくれてるみたいで」
「よかったわね」
「兄貴も飲み会に参加しろよ」
「あ、あぁ」
「しょうがないじゃない ユキオさんは
お酒がほとんど飲めないんだから」

「あれっ カオリちゃんは」
「カオリは昨日の夜に出て行ったわ」
「えっ 家出!?」
「違うわよ 東京の友達に会いに行くんだって」
「兄貴大丈夫か」
「何が」
「何って友達ってさ まさか・・・」
「ハハハッ ススムさんの言うことも
間違ってないかもよ」
「お義母さんもそう言ってるし」
「早く準備しろよ」

弟が出て行くのは9時頃だ
義父は8時前には出て行くのでかなり余裕がある
そして私と義母が店を開けるのは11時
土日は観光客が多いので休めないが
平日は体調などに合わせて自由に休める
あと義母の友達のサチコさんが店を手伝ってくれている
仕事じゃない時も店に喋りに来たりするので
いつもいるような感じだ

にほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ 





関連記事
スポンサーサイト
[PR]

プロフィール

北条光影

Author:北条光影

電子書籍新作紹介
カテゴリ
最新記事
blogmura
LINK
Kindle Unlimited 全集シリーズ



リンク
カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

オススメ作品!



アクセスランキング

にほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ

☆ランキング参加中☆
クリックお願いします!







QRコード
QR
RSSリンクの表示
アクセス解析