僕は姉の家事担当(1) 「お母さんが怒っちゃった」

「あれっ 姉ちゃん いつ来たの?」
「さっきよ それよりもう2時だよ
いつもこんな時間に起きてるの」
「別にいいだろ」
「あっ 生意気な口聞いたね 今」
「ちょっと ユマ いい加減にしなさいよ」


平川ユウキ 28才

地元の大学を卒業してすぐに勤めた会社を
つい最近リストラされた
失業保険がしばらく出るのでのんびり
再就職先を探している

うちは両親と僕と姉の4人家族だ

姉はユマ 33才

大学入学と同時に寮に入ったので
実家を出て15年近くになる

業界でも大手の小石川物産の秘書課勤務
現在は次期社長候補のひとりでもある
片倉専務の秘書をしている

この15年で姉が実家も戻ってきたのは
両手で数えられるほどだ
東京の大学に入り寮生活だった4年間は
1度も帰ってこなかった
逆にこっちから寮の方に行ったりしたのだ


「そうだ ユウキ」
「何?」
「リストラされたんだって」
「改めて言わなくてもいいだろ」
「だってあんたって真面目なのにさ」
「会社自体が危ないから時間の問題だし
黙って受け入れただけだよ」
「運が悪いわね 内定他にもいいとこから
もらってたのに」
「会社の雰囲気がよかったんだよ」
「ハハハッ お人よし過ぎるわ」
「ユマ!」
「お母さんが怒っちゃった」


「ねぇ ユウキ 東京の私のところに来ない?」
「はぁ? 東京で働けってこと?」
「うちの家政婦さんが辞めちゃったのよ」
「それが僕に何の関係があるんだよ」
「うちの家事やってよ 給料も払うから」
「えっ!? そんなの・・・無理だよ」
「どうして? 失業保険と私から給料で
結構リッチになれると思うけど」
「家事なんてやったことないし」
「あっ それが理由なら大丈夫 家事なんて
基本的に誰でも出来ることだから
もちろんうまいヘタはあるけだどさ」
「でも・・・」
「友達もいないんでしょ オンラインゲームばっかり
やってるって知ってるのよ」
「それは・・・」
「東京にいる方がそういう人とも会いやすいわ
オフ会とかいろいろやってるだろうし」

確かにそうだ オフ会といえば東京なので
参加したくても躊躇してしまう

「やっぱり女同士でも年上の人だったから
知らないうちに気を使っちゃってたのよ」
「そうよね でもユマも33才だし
年下の家政婦さんもいるでしょ」
「そんな簡単に見つからないって 年が近くても
いろいろとあると思うし」
「まぁね」
「正直お母さんが一番いいんだけどさ」

「そんなことより結婚はどう考えてるの?」
「いい人が見つかったらするわよ」
「いつまでも若いと思ってたら売れ残るわよ」
「上には上がいるから大丈夫 近藤課長は
38才で独身だから」
「出世したらしたで結婚が遠のくわね」

そんなやりとりがあって1週間後には
僕の東京生活がはじまった

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