真夏の夜の嫁(5) 「やったぁ 母さんの玉子焼きだ」
「今日はレイコさんだけ仕事かい」
「俺は有休取ったから」
「じゃあ ごはんでも作ろうか」
「うん」
夫は友達の家に出かけた
カズミさんはさっき起きてきていたが
また部屋に入ったので居間に次男と2人きりだ
「母さんとこういうの久しぶりだなぁ」
「もっと頻繁に帰ってきてくれればよかったのに」
「仕事も忙しかったし兄貴も嫌がるし」
「まぁ ユキヒコよりもカズミさんには
気を使わせるかもしれなかったけど
結局一緒に住むようになったしね」
「父さんともあんまり・・・」
「俺は有休取ったから」
「じゃあ ごはんでも作ろうか」
「うん」
夫は友達の家に出かけた
カズミさんはさっき起きてきていたが
また部屋に入ったので居間に次男と2人きりだ
「母さんとこういうの久しぶりだなぁ」
「もっと頻繁に帰ってきてくれればよかったのに」
「仕事も忙しかったし兄貴も嫌がるし」
「まぁ ユキヒコよりもカズミさんには
気を使わせるかもしれなかったけど
結局一緒に住むようになったしね」
「父さんともあんまり・・・」
夫はお酒が入るとなかなか出世しない次男に
つまらない説教をし出すのだ
「定年になってから丸くなったわよ」
「そうだね 昨日も穏やかだったし」
「まぁレイコさんもいるしあなたに
きつく当たることはもうないわよ」
「あぁ でも暑いなぁ」
「クーラーつけてもいいわよ」
「母さん 苦手だろ」
私は部屋でも扇風機だけだ
次男は気を使って居間に扇風機を持ってきた
「父さん本当よくガマンしてるよね」
「居間で寝てることもあるわよ」
「でも俺が家にいる頃はあんまりなかったでしょ」
「クーラーなかったじゃない その頃は」
「あっ そうだった ハハハッ」
息子たちの部屋にはクーラーをつけていたが
この居間につけたのは長男が結婚してからだ
夫は家にあまり人を呼ばなかったので
別にそれで問題はなかった
定年まで勤めた会社の人の中でも
一番駅から遠い場所に家を買ったことも関係ある
予算内で収まる価格で庭のある一戸建てを
夫と2人で探した日が懐かしい
もっと山手の方なら庭の広いところもあったが
急な坂があったので将来的なことを考えてここにした
「そうだ 母さん」
「何?」
「レイコがちょっと気にしてたんだけど
2階にトイレないでしょ」
「そうね」
「6人でトイレひとつで大丈夫かなって」
「あぁ そういえばそうね
それよりいつまでここで暮らすつもりなの
もちろんずっといてくれもいいけど」
「いやっ 特に決めてないよ 通勤は大変だけど
節約になるし 将来のための貯金したりとか」
「私たちが元気なうちに貯金しておきなさいよ」
「母さんは大丈夫でしょ」
「まぁね 若いカズミさんの方が心配だわ」
「ハハハッ いるんでしょ 部屋に」
「聞こえないわよ」
長男の部屋は洋室なのでふすまじゃなく
ちゃんとしたドアがついていて
中から鍵もかかるようになっている
元々は夫が書斎として使ってた部屋だ
「はい これでいいでしょ」
「やったぁ 母さんの玉子焼きだ」
「あなたは楽でいいわ 玉子焼きさえあれば
文句も言わないし」
「母さんの玉子焼きは毎日食べても飽きないよ」
次男の食べてる姿を見てると
なんだか幸せな気分になる
小さかった頃の記憶が蘇ってくるのだ
「そうだ タイジ」
「うん?」
「トイレもだけどオフロも大変だわ」
「そっか 順番とか決めておく?」
「夫婦で入ることにしようか」
「あぁ それでもいいね 俺はすぐあがるけど
レイコは結構長風呂なんだよね」
「そうなの?」
「毎日1時間は入ってるって言ってた」
「2階にユニットバスでも増築しようか この際」
「どれくらいかかるかな」
「まず見積もりに来てもらわないとね
高かったら少し出して」
「ハハハッ もちろんだよ」
「そういえば母さんって夏は昼間に
水風呂入ってたよね」
「汗をかくからね 今よりも太ってたし」
「じゃあ 最近は入らないの?」
「またのぞくつもりでしょ」
「やっぱり覚えてるんだ」
「当たり前でしょ」
次男が中2の時のことだ
息子たちはクラブで遅くなるだろうと安心しきって
私は水風呂に入るためにハダカになっていた
浴室のすぐ近くに洗濯機があって動かしていたので
玄関が開いた音を聞き逃したのだ
もうすぐすすぎが終わるので
シーツやタオルを洗うために
入れ替えてから入ろうと待っていた
ガタッ
なんだか廊下で音がしたので
お酒の瓶でも倒れたのかとのぞくと
そこに次男がいた
「えっ 帰ってたの?」
「あっ・・・ ごめんなさい」
「何が?」
「だって・・・」
「まさかお母さんのハダカのぞいてたの?」
「・・・うん」
「そっか」
一旦水風呂に入って出てから
次男と話をした
「そういうの興味持つ時期だもんね
お母さんが悪かったわ
これからは気をつけるから」
「・・・うん」
「でもね 黙って見るのはダメよ
それは犯罪だからね」
「・・・」
「別にお母さんはタイジにハダカを見られても
構わないんだけど まぁ刺激が強すぎるからね」
「ごめんなさい」
「いいのよ でもどうだった?
私のハダカ見るのは小3以来でしょ」
「覚えてないよ」
「そりゃ そうだよね」
思い出にふけっていると
次男が立ち上がった
「どうしたの?」
「そういえばお義姉さんに挨拶してないなって」
「そっか さっきは普通にごはんも食べてたし
ノックしてみれば」

つまらない説教をし出すのだ
「定年になってから丸くなったわよ」
「そうだね 昨日も穏やかだったし」
「まぁレイコさんもいるしあなたに
きつく当たることはもうないわよ」
「あぁ でも暑いなぁ」
「クーラーつけてもいいわよ」
「母さん 苦手だろ」
私は部屋でも扇風機だけだ
次男は気を使って居間に扇風機を持ってきた
「父さん本当よくガマンしてるよね」
「居間で寝てることもあるわよ」
「でも俺が家にいる頃はあんまりなかったでしょ」
「クーラーなかったじゃない その頃は」
「あっ そうだった ハハハッ」
息子たちの部屋にはクーラーをつけていたが
この居間につけたのは長男が結婚してからだ
夫は家にあまり人を呼ばなかったので
別にそれで問題はなかった
定年まで勤めた会社の人の中でも
一番駅から遠い場所に家を買ったことも関係ある
予算内で収まる価格で庭のある一戸建てを
夫と2人で探した日が懐かしい
もっと山手の方なら庭の広いところもあったが
急な坂があったので将来的なことを考えてここにした
「そうだ 母さん」
「何?」
「レイコがちょっと気にしてたんだけど
2階にトイレないでしょ」
「そうね」
「6人でトイレひとつで大丈夫かなって」
「あぁ そういえばそうね
それよりいつまでここで暮らすつもりなの
もちろんずっといてくれもいいけど」
「いやっ 特に決めてないよ 通勤は大変だけど
節約になるし 将来のための貯金したりとか」
「私たちが元気なうちに貯金しておきなさいよ」
「母さんは大丈夫でしょ」
「まぁね 若いカズミさんの方が心配だわ」
「ハハハッ いるんでしょ 部屋に」
「聞こえないわよ」
長男の部屋は洋室なのでふすまじゃなく
ちゃんとしたドアがついていて
中から鍵もかかるようになっている
元々は夫が書斎として使ってた部屋だ
「はい これでいいでしょ」
「やったぁ 母さんの玉子焼きだ」
「あなたは楽でいいわ 玉子焼きさえあれば
文句も言わないし」
「母さんの玉子焼きは毎日食べても飽きないよ」
次男の食べてる姿を見てると
なんだか幸せな気分になる
小さかった頃の記憶が蘇ってくるのだ
「そうだ タイジ」
「うん?」
「トイレもだけどオフロも大変だわ」
「そっか 順番とか決めておく?」
「夫婦で入ることにしようか」
「あぁ それでもいいね 俺はすぐあがるけど
レイコは結構長風呂なんだよね」
「そうなの?」
「毎日1時間は入ってるって言ってた」
「2階にユニットバスでも増築しようか この際」
「どれくらいかかるかな」
「まず見積もりに来てもらわないとね
高かったら少し出して」
「ハハハッ もちろんだよ」
「そういえば母さんって夏は昼間に
水風呂入ってたよね」
「汗をかくからね 今よりも太ってたし」
「じゃあ 最近は入らないの?」
「またのぞくつもりでしょ」
「やっぱり覚えてるんだ」
「当たり前でしょ」
次男が中2の時のことだ
息子たちはクラブで遅くなるだろうと安心しきって
私は水風呂に入るためにハダカになっていた
浴室のすぐ近くに洗濯機があって動かしていたので
玄関が開いた音を聞き逃したのだ
もうすぐすすぎが終わるので
シーツやタオルを洗うために
入れ替えてから入ろうと待っていた
ガタッ
なんだか廊下で音がしたので
お酒の瓶でも倒れたのかとのぞくと
そこに次男がいた
「えっ 帰ってたの?」
「あっ・・・ ごめんなさい」
「何が?」
「だって・・・」
「まさかお母さんのハダカのぞいてたの?」
「・・・うん」
「そっか」
一旦水風呂に入って出てから
次男と話をした
「そういうの興味持つ時期だもんね
お母さんが悪かったわ
これからは気をつけるから」
「・・・うん」
「でもね 黙って見るのはダメよ
それは犯罪だからね」
「・・・」
「別にお母さんはタイジにハダカを見られても
構わないんだけど まぁ刺激が強すぎるからね」
「ごめんなさい」
「いいのよ でもどうだった?
私のハダカ見るのは小3以来でしょ」
「覚えてないよ」
「そりゃ そうだよね」
思い出にふけっていると
次男が立ち上がった
「どうしたの?」
「そういえばお義姉さんに挨拶してないなって」
「そっか さっきは普通にごはんも食べてたし
ノックしてみれば」


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