真夏の夜の嫁(8) 「今日はさすがに暑いな」

「今日も菊池さんのところ?」
「あぁ あいつも独り身で寂しいらしくてな」
「こっちに来てもらえばいいのに」
「カズミさんの体調のこともあるし気を使わせるだろ」
「まぁね でもクーラーもつけたし
夏でも人を連れてきていいからね」
「タイジたちも一緒に暮らしはじめたんだ
そんな勝手なことは出来ないだろ」

今日はタイジがいてくれたけど
昼間カズミさんしかいないと時間を持て余す

「友達でも作ったらどうだ」
「そんな簡単に言わないでよ 
あなたもユキヒコも食事にうるさいのに」
「カズミさんに時々は作ってもらえばいいじゃないか」
「あなたほとんど食べなかったじゃないの」
「それは・・・おまえの味に慣れてるからさ」

長男が結婚してカズミさんと暮らしはじめて
もちろん食事の支度も手伝ってもらっていた
ただ2人ともあまり食べないのでそれとなく
カズミさんには他の家事を任せることにした

きっとカズミさんも気づいてるはずだ
料理がヘタなのではなく
ただうちの味じゃないだけなのだ

あの反抗期の長男も私の出したものは
美味しそうに食べる
もちろん”おいしかった”とは言わない
まぁ子供にそんな言葉を求めるのもおかしな話だ


「今日はさすがに暑いな」
「いいですよ 居間で寝ても」
「本当か? すねられても困るからな」
「じゃあ 満足させてから・・・」
「いやっ この暑さじゃ・・・」

また断られてしまった
あんまり無理強いすると嫌われそうだし
今日もガマンするしかない


「いってらっしゃい」
「あぁ」

一応キスだけしてくれた
この年代でこんな心遣いが出来る男は珍しいはずだ

にほんブログ村 大人の生活ブログ 恋愛小説(愛欲)へ 





関連記事
プロフィール

北条光影

Author:北条光影

カテゴリ
LINK



リンク
カウンター
アクセスランキング

QRコード
QR
RSSリンクの表示
アクセス解析
ジャンルランキング
[ジャンルランキング]
アダルト
492位
ジャンルランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
官能小説
30位
サブジャンルランキングを見る>>